グレード

《コブ》
アメリカに行ってしまったYイカに

「日本は明日休みだからクライミング行きます。」
「なにーー」「そうかー建国記念日だっけ」
「明日からコロッサスRP記念の日になります。」

と、宣言してシーサイドに向かった木曜日。
2日前の火曜日に、かろうじて1時間ほどジムで調整したものの、それまでの2週間は肩痛で一切登っていなかったため、不安材料を抱えたままコロッサスに向かった。

核心までは既に自動化されている。
いつもなら核心までは比較的楽に行けるところなのだが、最初のトライは途中から腕の張りを感じ出し、核心のデッドは出さずしてテンションを入れた。

少し休んでハングドッグからのデッド二回目。
核心のカチが止まり、冷静に足元を見て足を上げたまでは良かったが、次はヌンチャクを掴みに行ってクリップ。それは初めて触る最終ヌンチャクでもあった。そして初めて上から眺める核心ホールドがそこにあり、まじまじと見回して目に焼き付け、遂にトップアウトを果たした。

実はこれまでトライ数をカウントしていたのだが、これが21回目のトライで、そのパートだけなら5〜60回はやっている。その内このデッドが止まったのは2回だけでトップアウトしたのはその1回だけである。この日は結局その1回しか止まらず、最後は肩が痛み出したので終了した。
580c93ae.jpg

この日のシーサイドで「今度、岩場のグレードを見直すらしく、シーサイドのルートも変えるらしい。」と言う話を聞いた。それはそれとして、この半年ぐらいの間にFacebookでHガシさんが書いているグレード考を読んでいて、コロッサスのグレードについては思うところが出てきた。

09ad58d6.jpg

このルートの核心は、どういう形状なのかわからないホールドに向かってデッドの様なランジの様な飛び付きをしなければならない。自分の場合、50回も60回も飛び付いて来た過程で、これだけやってできないのだからという理由から、13aという今付けられているグレードには納得していた。しかし、ホールドの形状がわかり、これはこの位置を狙えば確実に止まるという確信が持ててしまうと、それまでよりはずっと簡単に思えてくるものだ。以前某氏から聞いて妙に納得しているのだが、確信を持ってムーブを起こせるのと迷いながらムーブを起こすのでは全然違うからだ。

ところで、Hガシさんは記事の中で…
『グレードは「その運動の難しさ」を表していて、ホールド発見の困難性は加味されない。一番優しく登ったグレードが適用される。』と述べている。

「ん???」

まだ登れていないのに言うのも何なのだが、コロッサスは自分に合ったムーブを見つけるのがものスゴく難しいルートなのであって、全てが解明されてしまうと、そこまで難しくない様な気がしている。初登者のSギノさんが12cとグレーディングしていて、今でも「13aは無い12cだ」と言っているらしいのだが、それもわかる気がするのだ。

「でたー!!根拠の無い自信。登ってから言えよ。」

Yイカの声が聞こえてきそうだが、グレードを感じるのは何度も落とされる過程であって、RPした時にはグレードのことなどどうでも良くなっている事がほとんどだ。また、自動化されて登ったルートなど、最後にRPしたトライでは数字1個分ぐらい簡単に感じている事が多いので、もしもホールド発見の困難さがグレードに加味されず、一番優しく登ったグレードが適用されるというのなら、今感じている体感グレードはおそらく正しい。

とはいえ、コロッサスは絶対に13aから下げないで欲しい。あと、キャデラックランチは12c。ピスタチオは12a/bにして欲しいな。それとティンカーベルは最低10d、これはmustかな。

この日の朝、「あのブログ、タイトル『愛の交換日記』にした方が良いんじゃない?」というご指摘を受けてしまったので、それを鋼の精神で跳ね返し「これはあくまでクライミングブログである。」というアイデンティティーを示すべく、グレードについてちょっと書いてみました。

コメント