《M》
既に2ヵ月半が経過して、本来なら過去の思い出としてとっくに片付いているはずだった、ゴールデンウィークのスペインツアー。5月6日に帰国した時には、「あー楽しかった。また行こうねー」で終わっていたはずでした。ところが、二日後の5月8日にスペインのレンタカー会社であるGoldcarから、我がチームの代表であるSゅんたろうの元へ、こんなメールが届きました。
「トランクのラゲッジカバーがなくなってるから400EUR払え」
そのメールには、2枚の写真の他、車の仕様書と見られる図面、そして請求書が添付されていました。写真は我らが乗っていた車のナンバーと、トランク内部を写したもの。車の仕様書は、「本来この車にはトランクにカバーがついている。」ということを示す証拠のようです。そして、そのカバーの費用€400が記載された請求書が添付されており、メールには、次のような一文が書かれていました。
Dear customer,
Upon termination of your Goldcar rental, we are contacting you again in order to provide you with the agreement’s final settlement. Please find all details included in the attached files.
Kind regards,
「€400請求します」だって。
さすがにこれだけ「証拠っぽいもの」を添付され、かしこまった英文付きでメールが送られてくると、メンバーのうちの誰かが、そのカバーを外してどこかに忘れたのかなーなどと思ったりもしたのですが、4人の記憶を諸々辿ってみても、やはり最初からなかったというのが結論です。一方で、このレンタカー会社のサービスの質を考えると、彼らの方に落ち度があった考える方が妥当でした。つまり、我々は濡れ衣を着せられてしまったのです。
さてどうしましょう。
まずは、€400が引き落とされる前に、反論してそれを止めさせなければなりません。
5月9日
英語での交渉に長けているY太が我々を代表してレンター会社に電話。事前に契約番号を調べ、免許書の番号を調べるなど、電話の準備をするだけで大変でした。ところが、いざ電話を掛けてみると、レンタカーの契約者はSゅんたろうなので、本人じゃないとダメだと言ってきました。しかし、その際にコンタクト先のメアドを教えて貰えたので、ccにSゅんたろうを入れてY太が趣旨をメール。
5月15日
レンタカー会社との交渉を進める一方で、カード会社にも事情を説明して、先方の不当な引き落としを止めるようにお願いしましたが、カード会社からは、それはできないという回答がありました。この時点で、レンタカー会社からは返答がなかったのですが、あとは、5月9日に出したメールの返答を待ち、彼らが不当な引き落としを踏みとどまってくれるのを願うだけでした。
5月16日
1週間経っても、レンターカー会社からメールに対する返答がないので、督促するためにY太が再度レンタカーの会社に電話。「この前電話とメールしたけど返事ないんだけど!?」って。その際先方は明日返信すると言ってきましたが、それでもなかなか返事は来ませんでした。
5月22日
ようやく先方から返事がきました。
内容的には、我々に対する最終回答です。
Dear Client,
Thank you for your email about the additional charge relating to your recent vehicle rental.
The charge covers the cost of a replacement luggage cover which was found to be missing when the vehicle was checked on its return. This is in line with our Terms & Conditions.
Having reviewed the details of the case I can confirm that the charge has been applied correctly so I am afraid we are unable to provide a refund.
I attach evidence of the missing luggage cover. This was recorded during the routine inspection when the vehicle was returned to us.
I hope this clarifies matters but please do get back in contact if you require further information.
(概略)
メールは見た。けど返却された時にカバーがありませんでしたよね。
契約に基づいて請求させていただきます。返金できません。
証拠の写真は添付してあるからね。我々は、ルーチンとして車の返却時にちゃんと検査して記録しているんだよ。
「返金できません」 ???
だいぶ後からわかったことですが、実はこうしたやり取りを始める前の5月5日の時点で、先方は既に引き落としまで完了させていたのです。カードの請求が確認できたのが6月14日だったので、まさか既に引き落としまで済んでいるとは知らず、この頃の我々は、かなり不利な状況の中で交渉を開始していました。彼らは、こちらの言い分を無視し続けることで、我々を泣き寝入りさせることが簡単な状況にあります。我々はそうとも知らず、(既に完了している)不当な引き落しがされないよう、戦々恐々としながら次の対応を考えていました。
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