城ケ崎シーズン エピソード5

某日曜日　アストロドーム

週末二日目とあって身体は疲労気味。久々のマリオネットは、カムが残っててピンクポイントが狙えるトライを1回と、フォロー回収を1回。以前に比べるとだいぶ慣れてきたが、中間のトラバースパートは相変わらず苦しいし、最後のパートも繋げてくると辛い。

Y花はマリオネットをリードで仕留めに掛かり、手を血まみれにしながら格闘していた。最初のトライでは、惜しいところまで行ったのだが、自らの血でぬるぬるになってしまい、最後ができなかった。その後、痛々しい手をチラつかせながらも、目を輝かせて希望を失わなかった。

年末に「もう止める！」と言って、石垣島の思い出と共に置いてきたはずのゲームを、いつの間にか再インストールし、目の輝きを保つために利用していたようだ。

Eちゃんは、肉離れした足をかばいつつ、身体の使える部分だけを使ってサムライにトライ。

キリストがサムライになる日は近い。

この日は珍客があった。虫博士の、蚊Y君だ。

昨日の午前岩で、ニシキキンカメムシを知人が発見し、それを貰ったことの感動をひとしきり伝えると浮山橋の方に去って行った。カメムシは1000種類ぐらいいるが、ニシキキンカメムシほど美しく、尚且つレアなカメムシはいないと言う。基本的には岩の上に生息しているようで、昨日あるクライマーが登ってる最中に捕まえて地上に持ち帰り、その場にたまたま居合わせた博士に見せたという。「奥多摩では86年前に見つかったのだが・・・・」という大変マニアックで次から次へと出てくる話が面白かったので、機会があれば『秀樹に訊け！！』というコーナーをこのブログに作ってシリーズ化するのも良いかと思った。クライミングを起点として広がる世界はまだまだ広い。ちなみに虫博士は、自分達のような人種のことを『虫屋』と自称するらしい。