体重コントロールの謎 その6《まず、決意ありき》

《M》

今回は具体的にどうやって体重を落とすのかについて書こうと思ったのですが、どうやって落とすかという方法論よりも大切なことがあるので、先にそれを書いておきます。

《決意ありき》
一番大事なことで、なおかつこれが無いと恐らく最終的に体重コントロールを実現できないと思うのは「決意」です。『必ずこれぐらいの体重まで落とす』とか、『こういう体重と体脂肪率にする』と心に決める事が大切で、ライザップが言ってる「結果にコミット」のキャッチコピーそのものなのですが、自分で結果にコミットすることができれば、何もライザップに行く必要はありません。ただし決意をするからにはそれなりの目的が無ければならず、特に減らさなければならない大した理由もないのに、無理に決意をする必要はないと思います。尚、「決意」というと大袈裟に感じるかも知れませんが、そもそもクライマーであれば何らかのルートを試しに触っていて、ある程度の感触が掴めてきた時点から「このルートを登る」という決意が固まり、その後はRPのためにあらゆる努力をして昼夜考え続ける経験があると思います。ここで言っている決意は、単にそれを自分の体重コントロールに対して行うというだけのことで、そんなに難しくないと思います。

《決意ができれば意識も変わる》
決意ができた時には、何らかの目的と動機が固まっているはずで、決意した瞬間から意識も変わってくるため、その目的に応じた減量方法も自然に見つかってくると思います。私の場合で言えば、クライミングのレベルを上げたいと思って体重を減らそうとしてきたのに、7年間もの間73~77㎏のレンジから抜けられず、それどころか重度の腰痛を発症して半年間ほぼ離脱していた時に81㎏まで増えてしまった事が契機になりました。

73~77㎏時代はなんとなく体重を落としたいと思ってジョギングを続けたり食事を少し控えめにしていましたが、記録は付けていませんでした。ですが、81㎏まで増えた時は何を差し置いても落とすことを優先しようと思い、しっかり自分に向き合い始め、日々体重の記録を付け、世の中のダイエット法を調べ、上手くいかなければ理由を模索するなどを繰り返し、今回のブログ記事に繋がるような長い旅が始まりました。「決意」というと仰々しいのですが、その前後で変わったことと言えば、それまで好き放題に食べていたカロリー高めの美味しいものやお菓子、おやつをここ一番では必ず控えるという事であり、いつもの飲み会、いつものクライマー同士の宴会の中にいる時であっても、最初の決意に従って食べない側を選ぶということです。

《習慣を変えるために記録を付ける》
尚、今回の一連の記事を書くために、「ホメオスタシス」について調べ直していた際に発見したのですが、ホメオスタシスには身体的な調節機能の他に「心理的ホメオスタシス」というものもあって、人には、生活に安定をもたらすために「今のライフスタイルや環境をなるべく維持しよう」という心理が働いているそうです。従来の習慣はコンフォートゾーンとも呼ばれていますが、体重のコントロールには大なり小なり食生活や生活習慣を変えることが強いられますので、その「決意」をするという事は従来のコンフォートゾーンから抜け出す努力が必要になります。
コンフォートゾーン1
コンフォートゾーンから抜け出す私流の方法は、決意した目的に反して無意識に行ってしまう行為の記録を付けていくことです。私がクライミングを始める前には約10年間の喫煙生活があり、毎日二箱吸っていたのですが、ニコチンが切れる前に無意識にタバコを買いに行き、立ち止まって考えるプロセスなど皆無のまま次のタバコに火を付けチェーンスモーキングをしていました。禁煙にトライを始めて1年ぐらい経った時、これらの行為を記録していくことで無意識の行為を認識できるようになり、無駄を自覚できるようになって徐々に減らし、最終的に禁煙することができました。当時は「心理的コンフォートゾーン」も「心理的ホメオスタシス」も知りませんでしが、悪しき習慣を変えるには止めたい行為の記録を付け、無意識に行っていることを自覚して少しづつ改善していくことだと直感したため、体重を減らす決意をした時点で、体重や食べてるものの記録を付け始めました。ちなみにノートは何冊も書き、いつの頃だったかは忘れましたが、確かまだ体重が75~80㎏ぐらいあった頃のノートの表紙に、虚しくも「体重を66.5㎏にするノート」というタイトルを付けていました。
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実際に実現できたのは8年ぐらい先だったと思うのですが、一旦挫折した後に再び向き合う決意をした先に達成し得たものです。無理な目標は立てず「年間セットポイント減を1~2㎏」に設定し、数年かけて目標に近づけて行けばよいと思います。尚、当時の記録は全て捨ててしまいました。

《レコーディングダイエットの注意点》
世の中にはレコーディングダイエットみたいものがあって、体重や食べたものの記録をするだけで痩せるかのような印象で語られている場合がありますが、「決意」あってのレコーディングであり、その決意もないのに記録(レコーディング)だけ付けていても減らないと思います。レコーディングダイエットの記事には、わざわざ「記録の前に決意が必要ですよ」とは書いていません。キャッチ―ではないし、この手の専門家にとって「決意」など当たり前のことだからです。よくよく読んでみると、その決意をしていることが前提になっているように思います。
https://ananweb.jp/news/155347/

《減量法、体重コントール法は目的によって異なる》
現在の私がベストだと思う体重コントロールの方法は、規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事を取ることに尽きますし、体重コントロールに一番関係のある「自律神経の話」とか、めちゃくちゃ分かやすくて面白いです。ですが、5年以上前の私には多分わからなかっただろうな、とも思います。

自律神経の話

一方、80㎏台にまで達していた頃の私は、今とは状況も目的も違いました。とにかく体重を一刻
も早く下げたいという強い願望を持ち、やり方は何でも良いと思っており、そういう意識で世の中の情報をサーチしていた時に出会ったのが「炭水化物抜きダイエット」でした。まず、当時の私の上司が糖尿病になって医師の指導のもとで炭水化物の制限をさせられた所、みるみる痩せて行くのを目の当りにしたことでインスパイアされていました。これって健常者がやっても効果があるんじゃないかと思っているところに、糖尿病患者のメタボな人達が書いた「炭水化物抜きダイエットの本」と出会い、そこには軒並み20~30㎏痩せた人々の実例が書かれていたので、これだ!と思って自分も試してみることにしました。

《最初は効果抜群「三食炭水化物抜きダイエット」》
耐水化物抜きダイエットの原理を簡単に言うと次のような内容です。
・普段体を動かす時のエネルギーは、炭水化物をグリコーゲンに変えてそれを燃焼させる
 ことでエネルギーにしている。
・炭水化物が枯渇すると、体は強制的に脂肪を燃焼させてエネルギーを燃焼するようにな
 るので、意図的に炭水化物を枯渇させることで脂肪がどんどん燃焼して体重が激減する。
・具体的には三食の食事から、ごはん、パン、麺類を抜くだけでおかずは普通に食べて
 いい。
【留意点】
・思っている以上に色々食べれます。ですが、夕食だけ炭水化物を抜く等の食事制限とは
 異なると思います。体の炭水化物を枯渇させて、燃焼モードを強制的に脂肪燃焼に切り
 替えることに意味があるので、3食抜いてこそ、という感じです。
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《三食炭水化物抜きダイエットの初回の結果》
私と同じぐらいの身長で100㎏ぐらいのメタボ体型の人なら、朝昼晩の食事からご飯、パン、麺類を抜くことで3週間で20㎏ぐらい減ると、その本には書いてありました。他に打つ手の無かった私は、記録を付けつつこの方法を試してみることにしました。体重は朝起きたて小をした後を基準にしていましたが、結果的には初めて4日目までに3㎏減りその後の3日で1㎏追加で減りましたが、更にその後の2週間は全く減りませんでした。尚、始めて2日目で離脱症状のような頭痛が出て、3日目にはなんともなくなると同時に無駄なものを食べたいと思わなくなりますが、常時足に力が入らずフラフラになります。ご飯とパンと麺類、お菓子は一切食べませんでした、おかずだけを普通に食べていました。厳密に淡水化物をゼロにすることはできないので、おかずの中の炭水化物に関してはルールは緩かったです。3週間のダイエット期間以降は普通に食べていましたが、その後1か月で1㎏ぐらいリバウンドしました。この結果から、次の事がわかりました。

《結果から分かった事》

・炭水化物抜きダイエットは確かに効果はあるが、最初の一週間しか意味がない
・メタボな人は20㎏脂肪が減るかも知れないが、そもそも脂肪が20㎏ない人が
 そんなに減るはずがない。
・その本の例に出ている人はそもそも運動をしない人々で、ふらふらになると困る
 ような人はおらず、スポーツをやる人のことは何も考慮されていない。
・減量前後で体脂肪率から、筋肉量を計ったところ、落ちた体重の半分は筋肉である
・1㎏のリバウンドはしたが、3㎏減の効果があった。

《2回目以降はやり方を変えた》

このようなダイエットをした後にホメオスタシスのことを知り、ある程度体重が減って下げ止まった後は、その体重で慣らさないとそれ以上減らない事を知りました。そこで、数か月期間をおいて、定期的に炭水化物抜きをすることにしました。週末に岩場に行くようになっていたので、次のような方法です。
・月~水曜日の3日間だけ炭水化物抜きをして、1~1.5㎏減らす
・木曜日から普通に食べて体力を回復させるとともにジムに1日行く
・土日は岩場でクライミングに行く

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《2回目以降の結果》

・炭水化物抜きをやると必ず1~1.5㎏確実に減った。
・減り幅が小さいのでリンバウンドは500g程度だった。そこで、これを数か月ごとに何度も
 繰り返して落としていった。
・炭水化物を抜いている3日間は辛いが、4日目からは普通に食べられるのと週末のクライ
 ミングに影響なく実行できるのが良い。
・落とす手法を覚えたことで、いざとなったらあれをやれば良いと思い、普段は普通に食べ
 られるようになった。
・何度もやっているうちに筋肉がかなり落ちた。行きつけの整体師からは、肩周りと首回り
 がごっそりなくなったと指摘された。もともと肩が強かったのですが、体重が68㎏になり
 肩周りの筋肉がなくなっているのに、昔のような肩を酷使する登り方をしていたために、
 肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)になったのではないかとも思う。

尚、当時の記録は捨ててしまったのですが、確か68㎏ぐらいまで減って満足し、その後の5年間くらいは何もせずに67~70㎏の間で安定稼働。その後65~68にレンジが落ちて2年間推移し、今年の始めに更にレンジが落ちて63~65㎏の間で安定稼働を続けています。直近の6年間は、かつてやったような炭水化物抜きは一切やっていません。栄養マニアで超健康的な生活習慣を持つY花の生活パターンに合わせるようになったことで、特に意識しなくても体重維持ができるようになっていました。

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