初診から二ヶ月弱が経ちましたが、ADHD関連の心理検査や知能検査の結果が返ってきて、心理士の方が説明してくれました。私が受けた検査は、CAARS(ADHD検査)、AQ(自閉スペクトラム症検査)、WAIS-IV(知能検査)、の3種類で、発達障害の傾向がある人が、よりその特性を理解する上で受ける検査のようです。
まず、CAARSですがADHDの傾向について問う66問の心理検査で、自己記入式と観察者記入式があるそうで、観察者版は親や配偶者、友人などが記入する場合もあるそうです。今回は自己記入式のみなので、自分がADHDの傾向についてどう自覚しているかという結果になりますが、全ての項目で65点以上という閾値以上でした。
不注意/記憶の問題 72点
多動性/落ち着きのなさ 90点
衝動性/情緒不安定 77点
自己概念の問題 83点
観察者版がないので配偶者殿に傍からみているとどうか、聞いてみたところ
不注意/記憶の問題:まあそうだね。結婚指輪5回なくしてるしね。
多動性/落ち着きのなさ:落ち着いているところを見たことがない。
衝動性/情緒不安定:表立って表現しちゃうことは少ないけど、内心の情緒は激しいほうだと思う。
自己概念の問題(自分に自信がない的な問題):確かに何事も卑屈に受け止めたりする。素直に自分が得意なことは認めて褒められたら喜べば良いと思う。
ということで概ね一致した感想でした。
次にAQ(自閉症スペクトラム指数)ですが、これは自閉症傾向を測定する心理検査だそうで50点満点中33点以上であれば、一定のASD傾向があるそうですが、私は合計8点で強く傾向が出ている下位項目もなくASD傾向はなさそうでした。ADHDとASDを合併している人は多く、より生きづらさを感じやすそうなので、私はラッキーだなと思いました。
最後にWAIS-IVですが、これは知能検査で総合のスコアがいわゆる「IQ」と言われているものらしく、下位項目に「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」があって、発達障害の人ではこの下位項目のスコアのばらつきが大きいことが多いとのこと。どれも平均点を100として算出されるようですが、大きくばらつく人は30くらいスコアが違ったりするようで、言語理解は天才だけど処理速度が遅く、結果、仕事が遅いのを理解してもらえない等、ばらつきが生き辛さにつながることが多いようです。またADHDではワーキングメモリーが低い人が多く、それがマルチタスクの難しさにつながるそうです。
私もマルチタスクは全然できないし、数学は得意だけど、国語が全然できなかったので、さぞかしバラつきがあるんだろうな、と予想していましたが、

全体として良いスコアで、バラつきは少なくて、むしろ普通な人なのでは!!!
正直、これにはかなり困惑しました。
発達障害は、その人の持っている素質自体というよりも環境要因も含めて「生活に支障がある」ことが診断として大事なポイントになると思います。
私の場合は、ADHD性質はガッツリあるけど、知能や自閉症傾向という意味では、あまり大きな「生き辛さ」の原因はなく、なのに上手に生きられていないってことは環境調整不足・工夫不足で生活に支障があるのかしら?薬とか飲んでる場合じゃないんかな?自分としては、かなり工夫して乗り越えてきたつもりだったのだけど、努力が足りないってこと?
とはいえ、このような検査をするのは自分が注意するべき特徴を把握して対処方法を考えることが目的だと思うので、そういう目線で自己理解や内省をすることにしました。これまた配偶者殿の感想を聞きながら振り返ると、以下のような自己理解に落ち着きました。
・多動症なのは、疲れるけど一概にダメな性質でもないので個性といっても良いのでは。薬の効果が出やすい性質ではあり、長時間集中してじっとしていられるようになっている。
・衝動性は生活上のダメージが一番大きいかも。衝動性が表に出ることは少ないけど、うっかり発言とかで周りとのトラブルになることもあるし、それ以上に感情的な衝動性は隠していてもダメージが大きく、お酒に依存してしまったり過剰なダメージを追って疲れ果てたりしている。特に多動性と相まって、どんな時でも不安に追い立てられるような感覚はひどい。ただ、これは薬の恩恵をメチャクチャ受けており、服薬中はお酒の衝動性もなくなって過剰な不安症も軽減しており、ものすごく生活の質が改善している。
・ワーキングメモリーが低くてマルチタスクが難しいというより、自分のキャパを信じて限界までマルチタスクしようとすることが問題なのでは。同時進行はもうちょっと控えめにしたらよいのでは?
・忘れ物や落とし物が多いのも、ワーキングメモリが足りないというより過集中の影響が強そう。過集中は良いところであり悪いところでもあるので直すべきものなのか悩ましい。最近は行動療法的にうっかり落とし物は概ねカバーできているし、薬でも治らないので行動管理を意識して解決を頑張ろう。
・小さい頃は、どちらかというと成長がゆっくりな子だったが、大人になったら意外と知能が高いことになっている。仕事上では、頭の中で全体像を把握して素早く情報処理しているので、相手もそうしていると思ってちゃんと説明しておらず、周りの人がついてこれずに「意味不明な人。話が拡散する。」となっているのでは。順番に脳内で考えていることを説明しよう。これは薬では治らないし、自分でもあまり意識できていない特性だったので、注意深く自分を観察して、他者へのコミュニケーションは気を付けよう。
・反省点を多く書いたが、多動性や衝動性のすごく良い面も改めて感じる。いつも「これで良いのか?もっと他のことも試さなくて良いのか?」と不安に掻き立てられ、自問自答してじっとしていられず走り続けてきた結果、代償として知らぬまに足が速くなってた!みたいなメリットもたくさん感じる。海外で働かせてもらったり、クライミングもいろんな頃をやってきたし、いろんなところを旅してきた。結果、素敵な友達がいたり、仕事でも自分の業界ではかなり幅広い業務ができるようになっちゃってたり、英語はひどくても何でも話したいことを言えちゃう図太さも身についてたりと、ADHD特性があるからこそ出来ちゃったことがいっぱいある。こういう特性は諸刃の剣で、エネルギーが大きいだけにネガティブに働いちゃうと今回みたいに、「あー、このまま行くとアルコール依存症か適応障害的なやつになるー」と思って緊急停止ボタンを押す必要があるけど、ポジティブに働く時はすごいメリットにもなるんだと思う。
という感じで色んな衝撃と困惑を感じながら内省してみましたが、自分をある程度数値的にとらえるというのは客観視する上では役に立つし、発達特性がありそうだな?と思う人は受けてみる価値があると思いました。ただ、なんだかんだ言っても自分を客観視する上で一番役に立つのは、自分の周りにいる自分を客観的に見てくれる人の観察結果を聞くことだな、というのが最終的な感想です。でも、客観的数値とかがないと、他人の観察結果を素直に聞き入れるって難しいもんなんですよねー。なので検査を受けて、自分が信頼できる比較的客観的な目線で観察したことを話してくれる人と結果について話すのが一番効果的かと思いました。
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