ADHDという言葉が相当世の中に出回っていて、かなりメジャーになる中、
「そもそもADHDって病気じゃないのでは?」という話も結構出てきていると思います。
例えば「ADHD大国アメリカ 作られた流行病」という本では、ADHDの薬が開発されたことで製薬会社の影響などで過剰にADHDの診断がなされていること、それによって、特に青少年に誤診や過剰な薬剤投与が行なわれることで、むしろ悪い影響が出てしまっているといったことが書かれています。日本はアメリカほど服薬が広まることはないと思いますが、確かに流行病みたいになってることの影響は大きいと思います。
素人の私には、何を以って精神の「病気」と定義するかはわかりませんが、ADHDは以下のようなことが言われているようです。
・ADHDという特性は、ある人とない人、白か黒か、のようにはっきり分かれる特性ではなく、グラデーションで存在する。
・不注意と多動・衝動の両方の性質を持っている人もいれば、片方が優位な人もいる。
・ADHDっぽいよね、というグレーゾーンの人もいれば、どうにも生活するのも大変なレベルの人までいる
・ADHDと「診断」される成人は、少なく見積もって2-3%、5%くらいいるのではという報告もある
このくらい多くの人が診断されて、グレーゾーンの人は結構大勢いるとなると、確かに「個性・多様性の一つなのでは?」と思われるのも分かります。一方で、強い特性がある人は、現在の社会においては仕事や勉強についていくのが難しく、自己肯定感の低下に苦しんで鬱や不安障害になったり、辛い生活から逃れるためにお酒やギャンブル、ゲームなどを始めるとADHDの人が陥りやすい依存症になってしまったりと、様々な二次障害を発症する可能性が高いそうです。海外のデータでは、ADHDの15.2%が何らかの物質使用障害を合併しているとか、ギャンブル依存症患者のうち25%はADHDだったなどの報告があるそうで、これは、個性だとか言ってないで、ちゃんと対策をとったほうがよいなと思います。鬱や依存症の治療って本当に本当に大変だと思うので、ADHDの生活への影響が行動療法とかでなんとかならないレベルの人は投薬も含めて二次障害を防いだほうが良いのではないかなと。
花粉症の人に、「多くの人が花粉症だし、室外にでない、マスク・花粉防御メガネをかけるなど対策すれば軽減できるんだから、薬なんかに頼るもんじゃない」なんて言ったら「何言ってんの?せっかく良い薬があるのに」と思う人がほとんどだと思います。まあADHDの薬は結構副作用がきついので、それとの兼ね合いだとは思いますが。
そんなことを考えると、ADHDの特性が結構きつめの人は、病気として治療して良いんじゃないかな?というのが私の感想です。私が治療すべきブラックゾーンにいるのか、グレーゾーンにいるのかは微妙なところだと思いますが、クライミングツアーなどで寝食を共にしたことがある人には
「病気っていうほどひどくはないよ!?」と言う人はおらず(笑)、ADHDの薬飲んでいると話すと
「色んな意味で規格外だとは思ってた」とか
「あー、運転ヤバイなと思ってたの。本人が楽になるなら薬飲んでも良いんじゃない?」とか言われており、私が思っているよりはADHD特性丸出しなようですので、今の精神的に安定性が高くない生活環境では、アルコール依存症予防で薬を飲んでていても良いかなと思っています。
「私も落とし物やうっかりミスが多くて、多動症なの!ADHDかも!?」と思う人は(特にクライミング業界では)かなり多いと思いますが、グレーゾーンの人はいっぱいいると思うし、周りから指摘されるレベルだったり、仕事を干されるレベルでなければ、「まあグラデーションある特性だからな」くらいで捕らえておいても良いのかな?と思います。そういう人にも発達障害向けの行動療法本は超おススメで、かなり生活は改善すると思います。
「生活にめちゃくちゃ影響出ています」という方は、一回クリニックなどで相談しても良いのかもしれません。薬を飲まなくても自分の行動や特性を内省するだけで得られるものは多いし、特性を理解して行動するのとそうでないのでは、かなり対応できる幅が違うのではと思います。
あと、クライマーでADHDかも?と思っている人の中には、過度激動(Overexcitability)が原因の人も多いのではないかな?と私は勝手に推察しています。過度激動は精神医学の用語ではないですが、「ギフティッド」と呼ばれるような高い知的能力を示す人の心理特性らしく、理由は違うけど傍から見ると発達障害の人の行動によく似てみえるようです。詳細は端折りますが、クライマーは地頭が良い人や特殊な才能を持っている人が多く、そういう人はADHDっぽいと決めつけず「過度激動」を一度ググってみてください。「あ、私だ―!!」思って納得する人も多いのでと思います。

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