執念

≪コブ≫
先月まで大盛況だったはずのコロッサスも、2月最終週となる27-28日には閑古鳥が鳴いていた。

Yイカ様はアメリカでのボルダリング生活をエンジョイし、HマちゃんとSんたろうは高難度クラックに消え、Yっくんは諸事情によりしばらくの離脱が決定する中、我一人クライミングシューズを新調して再びコロッサスに向かったのであった。初日は新たに富士市からの刺客Sンさんがコロッサスへの参戦に名乗りを上げてやってきた。

先週末、靴がボロくなったのを言い訳にしてその場を去り、靴さえ新しくすればできると踏んでやってきたのだが、2便出しても核心のデッドが全く止まらなかったので、やる気を削がれて賑やかなエリアに油を売りに出かけた。たまたま、Hガシさんがいたので即席クライミングラボにてコロッサスの難しさを語り、Hガシさんから何らかのアドバイスを引き出そうと試みた。

「いつできるかなんて何年経ってもわからないもんですよ。それがクライミングの面白い所です。」

その言葉を励みに再度コロッサスに向かう。
ビレイヤーはMotさん。
やっぱりできないので降りようと思った所、「もっとやっていいよ」という。
自分の中では諦めムードが漂っていて、もうやりたくなかったのだが、その後あっさりデッドが止まった。

この時点では何で止まったのかもわからない。
止まる理由もわからないのだから、当然これまでできなかった理由もわかっていなかった。
だが、理由を解明するならホールドを直に確認できる今しかない。
千載一遇のチャンスである。
時間をもらってたっぷり研究。

結果、ホールドは特定の場所しか止まらなそうだ、ということがわかってきた。
自分がそこに飛びつく角度だと、左手薬指と中指でそこを抑えに行かないと止まらない。
これまで飛びついていた場所は、すこーしだけ外形していて、飛びついた場合には止まりにくいことがわかった。今まで狙っていたのは、そのダメな部分。
何十回飛びついても止まらなかった理由が見えてきた。

結局土日で4回止まった。
その内2回は狙いを定めて計算通りに止める事ができた。
ここまでわかればムーブがばらせたと言ってもいいだろう。

だが、課題はまだある。
そのデッドを繰り出す時に軸となる左足のヒールの位置が決まりにくい。
ヒールを掛けずらい形状で、ヒールが掛かる場所が毎回毎回数ミリ違う。
それで構わないのだが、飛ぶ方向を補正するためにそのズレは上半身でその都度調整しなければならない。調整する時間は1秒程度で、これ以上長くなると体勢が維持できなくなって崩れていく。
だいたい全貌が掴めてきたのが2日目の3便目。

夕暮れ時に鳴きの1便を出したのだが、体幹がヨレていて腰が落ち、全くお話にならなかった。

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