復活の狼煙は小さな煙

最近、林修が出ていた番組で「うだつが上がらない」の語源を説明をしていた。昔の家の隣家との間にあった防火壁のことを「うだつ」と言い、これを隣家との間に付けられるほど裕福でないことを「うだつが上がらない」というのだそうだ。
うだつ

幸い我が家は二人で支えあえば、うだつが上がりそうなのだが、この1年近くの自分個人のクライミングに関しては、全くうだつが上がらない。これまで自分の意識の多くの部分を占めていたクライミングの領域には仕事が入り込んで来ており、今やその領域はギリギリ守れるかどうかの危うい存在になっている。いやこれ、望んでそうなった訳ではなく、休日まで全力を出し切り続けなければ片付かないほどの仕事の渦中にいて、そこから1年近く抜け出せないということなのだ。しかし、よく考えれば世の中の多くの40代はそうやって仕事に埋没しているのであり、ようやく一般社会人並に仕事をするようになったと言えなくもない。

しかし、残念なことに2週間ほど前からストレスで耳鳴りが消えなくなるほど調子も悪く、あんまりいい事も無いので、仕事の取り組み方については少し見直そうと思っている。放置してしまったブログに関しても、Y花から「お前の復活を待っている。」と言われているのだが、こういう時ってあんまり面白いこと書けないんだよな。

先週はようやく時間が取れて9年振りに川又に行ったのだが、岩場に上がる前にトイレの「大」の方に車のキーを流してしまい、クライミングどころではなくなった。いちおう午前中は岩場に上ってHシモトさんと合流し易しいルートを何本か登ったのだが、午後はバスと電車を乗り継いでスペアキーを家まで取りに行き、もう一度川又に戻って車に乗って帰るという半日になった。クライミングの調子も悪いけど、それ以前に目に見えない何かの力が俺のクライミング行きを阻んでいるとしか思えず、スポーツ選手が引退を決める時はこんな時なんだろうか、などと思いながら帰宅した。

今週は、気を取り直して再び川又へ行ったのだが、岩は湿気湿気で状態が悪く、数パーティは早めに切り上げていた。9年ぶりにトライした大五郎11aもツルツルのスベスベで全く足が置けず、多テンでギリギリトップアウト。その後、Hシモトさんと12dのルートをやっていたのだが、これまた全くできる気がしない。クライミングのモチベーションは、過去の自分と比べて成長していると感じられる時に生まれるものだと思うのだが、今年はそうしたものが全く感じられず、自分をモチベートする材料がない。誰それが何を登ったというのをFacebookで見ても最近はあんまり発奮されなくなってしまった。

Y花とは、そういう話をすることも多くなり、結局グレードを追うとか誰かと競るとかでクライミングをするとかではなく自分が幸せを感じられる様にすればいい、という事で落ち着いてきたのだが、そう考えると年数回の海外クライミングツアーぐらいしか楽しく幸せを感じられることがない。というか、海外ツアーが充実し過ぎていて、基本一人の週末は寂し過ぎるのだ。

肩も直らず、目標も無いことだし、週末はしばらく行くのやめようかな。多くのクライミング仲間が色々な理由により30代40代で消えてしまったけど、みんな最後はこんな感じで居なくなってしまったのかも知れないな。

コメント

  1. てつ より:

    いつも楽しく拝見しております。
    Y花さんとは共通の知人(P)でお知り合いです。
    今回のテーマ、同世代なのでとても興味深く拝読しました。僕も仕事やら子供やらで大きな目標を持ってクライミングをするのが難しくなってではや数年。
    ですが、ご夫婦の落としどころ同様「グレード云々ではなく、細くても続けられるクライミングをしよう!」と取り組んでいます。
    お仕事本当に大変なようですが、くれぐれも身体をご自愛ください。応援しております!
    ※耳鳴りは注意が必要です。難聴になってしまうと回復がむずかしいです。

  2. Y花 より:

    ブログ見ていただき、嬉しいです!!M (T?)さん?ゴメンナサイ!誰か特定できませんでした!夫婦共々体力が衰える中、慣れない仕事を頑張ってるせいか、クライミングに気力も体力も回らない、、、でも楽しくシアワセな日々を過ごすためにユルユルクライミングできたらなーと思ってます。
    耳鳴りはメッチャ心配です。体壊すよりは、手を抜いて適当に暮らせば良いと思うので、ストレスたまらないように鈍感な人間になってほしいなと思ってます。

  3. M也 より:

    はじめまして、Y花の夫のM也です。
    内心では、仕事に対してもう少し抗い続けたいと思っていますが、もはや瀬戸際。いつ埋没してもおかしくない状況です。今回みたいな内容は、できれば書きたくないと思っていましたが、それでも響く人、わかる人がいたので救われました。
    コメントありがとうございました。

  4. ヤマダ より:

    そういう時期もあるさ

  5. コブ より:

    お久しぶりです。
    最近MWさんと、ヤマダさんの話してたところです。