牛歩

最近は休日でも仕事の呪縛から逃れられず、ゆっくり休むか残務を片付けるかが続いており、ストレスから出てしまった耳鳴りは4週間経ってもまだ消えないし、クライミングはおろか運動したいなどとは全く思わなくなってきた。日々、アメリカからM也ウォッチをしているY花は、最近板に付いてきた自称「俺」の軽いタッチで「おう、俺だよ俺」とか言って電話を掛けてきて、「そんな体調を崩すような仕事なら、辞めて俺と一緒にアメリカでくらそうぜ。」などと、頼もしいことも言ってくれる。これで、結婚したての頃に周囲のクライマーの多くから薦められた「主夫」への道が現実になるかも知れない。
しかし、もっと現実的な日々の健康改善法として、少しでいいからとにかく運動しろと言うので、水曜、土曜は久しぶりに水泳をしに行ってきた。おかげで少しは運動する気も出てきたようで、日曜日にHシモトさんと合流する形で再度川又に出掛けることにした。無理な目標は設定はせず、とりあえず「大吾朗11a」を登ろうと・・・。
10台のアップルートにそそられなかったので、前回オンサイトを逃した「小作人11b」をアップ代わりにトライ。
ところが、この日2回目のトライでも落とされたところで、自分の今の実力がようやく自覚できてきた。
やはり11前半ぐらいが適正なようだが、自分の実力に見合ったルートというのはやっていて楽しい。
落ちたのに、もう1回やってやろうという気持ちが湧いてくる。
今更ながらに、クライミングを楽しむってこういうことなのか、と思える様になってきた。
結局3回目でRPしたのだが、自分のリーチでなければ届かないような左の方のガバフレークを使ったので、どうも腑に落ちない。限定はないし、ボルト位置から外れたわけではないので、RPで良いのだろうが、この「逃げた感」が嫌なので、次回もう一度トライしたい。
さて次は、目標である「大吾朗11a」。このルートは、ルート核心部で直登する人と左側に巻く人がいる。直登は少し難しいので、11aがギリギリの人には無理かも知れないが、こっちの方が自然だと思う。自分は9年前に登っているのだが、その時は左に巻いた様な気がする。なので今回は普通に直登する事にした。だが、最後の最後甘いガバをどう処理するのかわからずフォール。それでもなんだか楽しくなってきて次のトライでRP。
ホンノ1ヶ月前にはレッドリバーゴージュで12cを登ることができ、その後怪我をした訳でもないのに、たった1ヶ月でこんなに登れなくなってしまった。自律神経が疲れすぎていたり、気持ちが終わっちゃてると全然登れないようだ。しかし、グレードを追うのを止め、身の丈にあったクライミングをしたら純粋に楽しむことができて良かった。ゆっくりした歩みになりそうだが、少しづつ回復させられるかも知れない。

ちなみに、Y花にこの原稿を見せたら「俺、切なくなっちゃった。」と言っていた。

コメント

  1. H本 より:

    Y花様へ。
    コブ氏の言ってることなんて一時の戯言。
    どうせすぐに戻ってくるから気にしないよーに。

  2. コブ より:

    Y花は、この記事の最後の文を見て、「俺、そんなこと言ってない。」と主張しています。

  3. Y花 より:

    H本様へ。
    ナマM也が見れないので、どのくらいシュンってなってるのか分からず、中々結構心配になるんですよね。近くで観察しているH本さんがそういってくれるなら、気にしないよーにします。引き続きM也と遊んでくださいませ!!

  4. Y花 より:

    コブへ。
    「「もうダメだー」とか弱音をうるさく吐きまくっているくせに実際は雑草よりもしぶとい自分と比べると、おまえは、踏まれても文句も言わず静かに道端でひっそり咲くタンポポのようで切なくなった」と言いました。