今回のツアーでは、最も安くチケットが買えるという理由で、航空会社はアエロフロートを選んだ。日本からは、成田発モスクワ経由のギリシャ行きで、往復費用は諸費用込みで一人106,000円。格安ではあるが、値段とサービスのクオリティはしっかり比例しており、どの程度のクオリティでどういうリスクがあるのかを事前に知っておかないと、乗ってから不満か怒りを感じるかも知れない。今回は、乗って初めてわかった事、起こった事をまとめておくことにした。
【飛行機着陸】
ギリシャ〜モスクワ間では、行きも帰りも飛行機が着陸すると乗客から拍手が起きる。着陸できて当然という感覚はあちらの人達にはないようで、ちょっと物騒だ。ネットで調べた範囲ではアエロフロートの墜落事故は過去二件のみなので、気にするほどでもなさそうだが、一件目の墜落原因は機長が息子に操縦させたためなどと書いてあって信じ難い。
【トランジット】
トランジットでモスクワ空港に降り立つと、空港内を通過する際にセキュリティチェックポイントというゲートを通過する。トランジットなので入国する訳ではないが、X線による荷物検査とボディチェックという、お馴染みの通過儀礼がある。今回は行きも帰りもそれらの検査の担当職員がなかなか揃わず、その場に1時間ほど足止めされた。我々の乗り継ぎ便の出発までは1時間半ぐらいしかなく、我ら同様に、迫り来る出発時間に苛立つ多国籍な人々でその場はプチ・カオス状態。非常にストレスフル。1時間後にセキュリティチェックポイントを通過できたが、買い物等は何もする時間が取れなかった。
【飛行機搭乗後】
この時期のロシアの気温は当然ながら氷点下で、日本のスキー場並に寒い。離陸前には飛行機の翼についた氷を溶かすため融雪剤を撒くとかで、飛行機に乗り込んで座席に着いてから実際に飛行機が動き出すまで、飛行機の中で3〜40分待たされた。待たされてばかりで嫌になった。
【映画・食事】
エアロフロートに準備されている映画はロクなものがないので、食事を唯一の楽しみにしていたのだが、後ろの方に座っていた我々はメニューを選べなかった。その上、二回目に出てきた食事のオートミールが非常に不味く、少しだけ食べて、後は残した。Y花に出されたおかずのレタスは、全体的に茶色く変色していて、普通は出さないレベルの状態だった。オートミールは私の口に合わず、出された食事に対して露骨に「不味い」と口に出して言ったのは生まれて初めてだったかも知れない。尚、ビールやワインなどのアルコール類は行きも帰りも一切出なかった。映画に関しては、観たい映画を事前にダウンロードして来たメンバーもいたが、一番賢い選択だと思う。
【USBコネクタ】
座席に付いているUSBコネクタは、全部使えるとは限らない。帰りの便では4列シートの内、1つだけ使えたが、残りの3座席分はコネクタの差し込み口が若干大きく、カチっとはまらなかった。もちろん使えない。品質悪すぎ。
【預けた荷物】
帰りの便にて人生初のロストバゲッジ。
8人のメンバー中6人がヤラれた。あれだけモスクワで人を待たせて、挙げ句の果てに「荷物は載せてなかった。」そうだ。それらの荷物は翌日日本に着くので、各顧客にヤマト便で配達するらしい。ロストバゲッジ該当者は、名前が張り出されていたが、ざっと30人程度。
ロストバゲッジに該当した某外国人も、「2年連続だ。今回でアエロフロートに乗るのは最後。」と言って不満を漏らしていた。前向きに考えるなら、重い荷物を翌日無料で自宅まで配達してくれるのだから、帰りは楽で良い…、などと思ったのは、今思うと少し見通しが甘かった。
【最後の波乱】
翌日アエロフロートから電話があり、荷物が日本に届いたので翌日届ける、と連絡があった。翌日は無理して早目に帰り、20時に荷物の受け取り。だが、届いた荷物は自分の物ではなかった。結論から言うとと、私、Sかもっちゃん、おKちゃんの荷物が3つ巴で入れ替わっていたらしい。我らメンバー間で事態を把握し、ヤマト、アエロフロート、我ら間で意識合わせして次のアクションの調整。
これらの荷物は更に翌日、アエロフロートが出したチャーター便でピックアップして、それぞれの家に無事届けられた。
ロシアが生んだ航空会社アエロフロート。
みんなで、「恐ロシア、恐ロシア」と言いながら過ごした長旅はこうして終わった。
コメント