燃え尽きたシーサイド

4月6日(土) 

この日は、みんながこの数ヶ月間シーサイドに注ぎ込んだ情熱が燃え尽き、シーズンの終わりを実感するような1日となった。先週までとは明らかに違う気温。伊豆高原に向かう車の温度計で16℃。天気予報が示す八幡野の気温は19℃だったが、体感温度は30℃を超える暑さ。

12時と14時にトライしたのだが、これまで絶対に滑らなかったような場所で手が滑ったり、指がすっぽ抜けたり・・・。また、触った箇所は直ぐに湿って黒くなる。思い掛けないところで滑ると体は強張り、その後も無駄な力が入り続けるので、限界ギリギリの強度を継続して登って行くのは難しい。

シーズンが既に終わっていることは行きの車の中で感じていたが、最初のトライで確信に変わり、2回目のトライで再確認。16時に日が陰ってきたので、もしかして岩の状態良いかも・・、と思ってもう1トライした時には自分に戦意がなかった上に岩の状態もよくなかった。その後、ロッシーがヌンチャクを回収。3ヶ月注ぎ込んだシーサイドへの情熱も自然とクールダウンされて行く。
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今シーズンは大した目標もなくシーサイドにやって来たが、Eちゃんのスプラッシュに掛ける情熱が伝染し、いつの間にかそれが目標ルートに変わっていった。キリストの布教力はハンパない。

昔はスプラッシュなんて一般人がやるルートじゃないと思っていたし、そういう空気もあった。しかし、クライミングを始めて5年とか6年でしかないのに、Eちゃんやロッシーはそんな偏見を持つことなく自分の身体能力を信じて果敢にスプラッシュを攻め、あと一歩のところまで迫ってきた。常に挑戦し続ける姿勢に刺激を受け、それが自分のモチベーションにも繋がった。

最初から無理と決め込まず、足りないところは努力と工夫で補って行けば良い。次のシーズンまでは8ヶ月あるので、その間はスプラッシュに向けたトレーニングに当てよう。久々に目標ルートができて良かった。三ヶ月の間、一緒に登ってくれたみんなに感謝。

——————–来シーズン用のメモ—————————
【スタート】
・地ジャンとスタの2通りあるが、地ジャンの方が、ワンムーブ分の体幹を浪費しなくて済む。

【2ピン〜3ピン間】
・ヒールを上げる棚は一番手前を左手で取って、ヒールを掛ける。この際、右足は左側のフットホールドにカウンターバランス気味に置く。左手の親指は凹んだところに掛ける。
・ヒールが掛かったら、右足をを折りたたんで、顕著なフットホールドに上げる。右足をそこに上げたら、左手で次のホールドを取り、ヒールを外す。外した左足は近くにあるフットホールドで下向きに抑えつけて、体幹で耐えながら次のドガバを右手で取りに行く。この際、自然な動きに任せて体を振ること。無理に耐えると無駄に消耗する。
・振った体が戻る際に、右足でスラブ面に止める。右手が疲れるので、右手と左手を入れ替えてクリップ。左足を膝の高さにある少し出っ張ったホールドに乗せて、次のガバホールドの左側を取りに行く。

【3ピン~4ピン間】
・ドデカイガバホールドの上にあるガバホールドを左手で取って右手でクリップ。その後、クリップ横の小さい皿ホールドを右>左の順で取り、大きなガバホールドにヒールフックして天井のガバを取りに行く。
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・この際、左足は単純な縦ヒールを乗せるだけで良い。足を横に曲げてクラックに挟み込んでもあまり効果無い上、膝を痛めるのでやめた方がいい。

【5ピン目からリップ取り】
・リップ右側のフットホールドを狙う。置いた足を軸に腰を乗せて体幹を張り、リップのカチが近く感じるようになったら取りに行く。このホールドは外径しているが、奥の方、ホールドの付け根のあたりの掛かりがいい。オープンで取った後、カチで握り込むのがポイント。その後の体勢保持力が上がる。
・ヒールを掛ける際は、靴を天井と垂直にする。ここのヒールは靴を選ぶ。新型ソリューション以外効かない。旧型だとヒールが負ける。ヒールがセットできたら右手の引きつけに力を入れる。引きつけをセーブするとスロットが取れないが、力を入れ過ぎると、その後が続かないので、悩ましい。要筋トレ。

【側面に上がるパート】
・左手でスロットが取れたら、右足は右側に開いて一番いいところに入れる。
・その体勢から、直接上部のガバは狙わず、スロット右にある、浅いスロットに一旦右手を入れてから上部のガバに右手を出す。この動きは体幹をバネにしていて、下から繋げて来た場合には体幹がヨレているので、体幹への負担を和らげるために必要。横着しない事。
・側面上部のガバは真ん中を取りに行けばいい。左側の凹んだところは掛かりはいいが、そこを持つと足が上がらない。逆に右側を取ると、その後、左のカンテ取りで手が届かなくなる。

【側面足上げ】
・側面上部のガバを取ったら左足を天井下にある蛇腹ホールドに合わせ、次に左手をスロットから15cm上ホールドに移して右足をリップホールドに上げる。
・その後左足をスロットまで上げる。真ん中の一番いいところに爪先が乗ったら左手をカンテに伸ばして取り行く。左足をスロットに上げる際は最初から良いところに上がらなくても良い。左足はジリジリと上げて行き、最終的にスロットの良い場所に合わせる。

【側面カンテ取り】
・左足が良いポジションに乗っていれば必ず取れる。一見届かなそうだが、左足に乗り込むと、指の腹までに届くようになる。届かない場合は左足のポジションが悪い。
・カンテを取れたら少しずつ上げていく。ヒダのあるところまで上がると身体を持ち上げられるので、そこから左手を送ってサーカスライト合流地点のガバを取る。

【サーカスライト】
・最初のクリップは両手で持てる顕著なホールドを左手で持って。この際左足はコーナーに上げておく。その後は上部の棚の手前部分を右手で取り、棚の右端をクロスで左手取り。
・核心パートの最初の右カチは良いが、その一手先は遠い。右足をコーナーのガバに置くと、ギリギリ取れる。
・その後、左足を棚に上げるが、この時の足順が決まってない。多分、左足を棚下の中間に一旦置いてから、足をスメアに移動して棚に上げる。左足は手に足ぐらいに寄せなければならないので、この際右足で棚下中間をプッシュして寄せる。
・左足が棚の右端に寄ったら左手を上部のカチに送り、一旦タメを作って右棚に右手を飛ばす。左足はヒールのまま、左手をクロスして棚上の穴の下にあるガバを取る。右足は下部コーナーのちょっと良いホールド。左足はさっき使ったカチ。

こんなにあれこれ頭で考えることなく、たった一回のトライで登り切ったHん間君は凄かった。

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