勝手に最新トポ～El Chorro、マラガの風ツアー（概要編）～

＜ゆ＞
日本でEl Chorroというエリアを知っている人は、どちらかと言えば古くからのクライマーではないだろうか？El Chorroは歴史のある岩場で、Makinodromoという8台の有名課題が揃うエリアや、マルチピッチで有名のようだ。私は岩場よりも「アンダルシア地方を観光で旅したいなー」と思っていてイギリス人クライマーと雑談していたところ、「El Chorro最高だよ！マルチがすっごく気持ちいよ」と勧められて興味を持っていた。
同じころOKちゃんは車が不要な岩場を探しており、レジェンドクライマーAKSさんからEl Chorroを教えてもらい情報を集めていた。日本では比較的マイナーな岩場なのに、全く同じタイミングで別々にEl Chorroの情報を調査していた我々は、「これは行くしかない！」ということで、あまり岩場に期待せず、マラガの風を感じに年末年始ツアーに出かけることになった。

というのも、El Chorroで最も有名なエリアであるMakinodromoは、アプローチが2時間くらいあるらしく、しかも違法に鉄道のトンネルをくぐって行かなくては行けないらしく、それ以外のエリアは垂壁のオールドスクールなマルチピッチのエリアのようなのだ。また、気温は晴れたら相当暖かいけど、雨が降ればまあまあ寒く、あたり外れがあるらしい。

そんなわけで「今回はアルハンブラ宮殿とフラメンコの旅かなー」と高を括っていたが、予想が良い方向に大外れ！アプローチもそんなに長くなく、雨には一日も降られず、風でカピッカピに乾いた岩場でかなり質のいいスポーツクライミングを楽しむことができてしまったのだ。

【岩場情報収集】
El Chorroには Olive Branchというクライマーヒッピー向けのホステルがあり、ここで岩場の情報を聞くことができる。開放的な受付かキッチンかよくわからないところにクライマーがたむろしていて、適当に声をかけると「Makinodromoは、みんなダメだけど鉄道のトンネルをくぐってエリアに行ってるよー。でも2時間くらいかかるかなー。8台を登るクライマーなら行く価値はあるけど」「El Chorroもいいけど、SteepなクライミングをしたいならDesplomilandiaがおすすめだよー」とか、教えてくれる。Olive Branchはキッチンは共同でみんなで使えてかなり安く、車なしで来るなら宿泊するのもありかと思うが、値段通りのホステルといった感じだった。

【岩場情報】
すみません！今回わけあって、いろんなエリアに行かず、El ChorroのFrontalesの中にあるPoema de Rocaというエリアにしか行きませんでした。なので、聞いた情報しかありません。とりあえず、気温は冬の伊豆みたいな感じで、曇ってもそんなに寒くなく、日がカンカン照りだと暑すぎて登れません。基本的には雨が少ない地域で、半砂漠のような景色か、乾燥した土地にオリーブがひたすら生えています。今年の感じでは冬のヨーロッパとしては、かなり有望なエリアと思います。
●Makinodromo
古くから有名な8以上の高難度エリア。アプローチが2時間半という人もいれば1時間ちょっとと言う人もいて、足の強さに依存するらしい。違反だが線路沿いにトンネルをくぐって行くらしい。
●Desplomilandia
基本的に北面らしく、日陰クライミングになるが傾斜クライミングが多く、現代クライミングをするならココが良いらしい。2019-2020年末は、日陰でも十分楽しめる気温だった。次回は絶対行きたいエリア。
●Frontales
ひたすら岩壁が続く巨大エリアで、トラバースして延々と課題が続く。今ドキクライマーはMomia、Black Cave、Poema de Rocaあたりで登るようで、たくさんのクライマーでにぎわっていた。今回我々は、ほとんどPoema de Rocaで過ごしたが、ケイブから薄被りのロングルートまで、魅力的なルートが揃っており、新ルートも開拓中だった。まだ脆い部分もあり、一部のルートはシッカ―だらけなのが玉に傷だった。

あーーー、石灰岩サイコーって思う夕暮れの景色