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外岩ネタがないので、読書ネタ。
- 明恵 夢を生きる 河合隼雄 1987年
- 明恵上人(愛蔵版)白洲正子 1999年
3月末くらいから読み始めて、今絶賛マイブームなのが「明恵上人」です。
「日本人という病」という、河合隼雄の講演会とか雑誌への記事とかをまとめた本を読んでいて、「明恵上人」という人について書いているくだりが非常に興味深く、1987年に河合隼雄が書いた「明恵 夢を生きる」という本がどうしても読みたくなったので、中古の本を取り寄せて読んでみた。
明恵は、鎌倉時代から室町時代で人々から尊敬された華厳宗のお坊さんだが、彼がすごいのは、世界でこれほど自分が見た夢を記録した人はかつていない(現代を含めて史上最強)というくらい長年に渡って夢を記録し、それが現代に残っていることだ。ユング心理学の大家である河合隼雄が、その夢と明恵自身が解釈した夢の意味を通して、明恵という人物を紐解いていくのだが、現代人の価値観では思考から漏れてしまっている無意識の人間形成のプロセスを考えさせられる内容で、だいぶ面白かった。
ついでに河合隼雄さん自身も参考にした白洲正子さんの「明恵上人」も読んでみた。河合隼雄が夢という観点から明恵を見ているのに対して、白洲さんは芸術とか美という観点で明恵を紐解いている。私の超苦手な古文と芸術なので、わかるところだけしか読んでないけど、挿絵の写真がとても美しくて、明恵ゆかりの地を訪れて、京都博物館にも行きたいなーと思った。白洲さんのはカラーの挿絵?がいっぱいある愛蔵版を(中古で)買ってよかったなーと思います。
- TED Talk 幸せの習慣 Matthieu Ricard
The habits of happiness
What is happiness, and how can we all get some? Biochemist turned Buddhist monk Matthieu Ricard says we can train our minds in habits of well-being, to generate...
明恵の本を読んでいるときに、偶然会社の同僚からTED Talkで瞑想や仏教の修行が人の脳を(科学的にみても)変えるという話を教えてもらった。ピアノの演奏を練習することで指を使う脳の領域が変わるように、人間性を高める練習・訓練をすることで、Well-beingのための脳の領域を変えることができるようです。クライミングの核心で負けない集中力も家でトレーニングできるかも!?
- 石ころ博士入門 高橋直樹・大木淳一 2015年
いつもお世話になっている岩のこと、もうちょっと良く知りたいと思って買ってみた。子供向けの本なのだが、私には十分な内容でトポと照らし合わせて読むと面白い。海外に行くと石灰岩か花崗岩、砂岩しか登らないけど、日本だと本当にいろんな種類の岩を登ってますね。おじいちゃんがルーペ持って旅して岩を見てた理由をちょっとだけ理解しました。
- イシューからはじめよ 安宅和人 2010年
自宅フィンガーボードのつくり方を調べたMikipediaブログを読んでいると、本当に面白い本をいっぱい読んでるので、紹介されてた「シン・二ホン」の作者が書いている本を読んでみた。今仕事で苦しんでいる自分のダメさを振り返るのに素晴らしい本。「悩んでいるヒマがあったら考える」というだけで、ほんとそうだよなー、と思わされた。ほんとに、クライミングトレーニングも、イシューからはじめよ、だよね!
- NHKのETV特集 緊急対談「パンデミックが変える世界 ユヴァル・ノア・ハラリとの60分」
パンデミックが変える世界について3人のゲストの対談特集の放送があり、その中で一番インパクトがあったハラリ氏との対談を別の回に放送。「サピエンス全史」の作者ハラリ氏がCOVID-19が変える世界について語ってるんですが、社会は直線的に進化・変化していくものではなく、こういう事態に大きく変化するもので、ちゃんとウォッチしてないとその後の社会に大きな影響を与えるんだということを気づかせてくれました。
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2020042520230
以上、お家で読書!特集でした。
コメント
本の紹介ありがとうございました‼️ 早速読んでみます。 自分が読んで良かった本、何冊か紹介します。 あらすじ等はググってみて下さい。 まず、木下昌輝さんの、宇喜多の捨て嫁。 濃厚なエスプレッソの様な小説で、ロタンダ形式の話が最後に一本に繋がり、もう一度読まずにいられなくなり、読むたびに印象が変わってくる。 シェークスピアのリア王にダース・ベイダーを重ねた様な感じ。 本当に何度も読み返して、何度み泣きました。 時代劇小説だけど、そんな浅いものではないです。同じ木下さんの、敵の名は武蔵。 武蔵の敵を通して武蔵が浮きがってきて心が暖まります。 ヨガ関連で読んだ本では、佐治晴夫の、宇宙のカケラ。 物理学者が語る般若心経で、般若心経は量子論の世界でした。 玄ゆう宗久さんの現代語訳般若心経も良いです。 あと、習得への情熱 art of learning。 Trainingbetaのクライミングにメンタル面で役立つ本としゅても紹介されてました。 ご参加まで。
>>Hankさん
ググってみましたが、「宇喜多の捨て嫁」面白そうです。読んでみます!
宇喜多の捨て嫁は、女性にとってかなり残酷でグロい描写もありますが、とても濃密で自分は気に入りました。 高校生直木賞というのを受賞してます。 伏線が見事で、それらが最後は繋がって、自分はもう一度読まずにいられなくなりました。 これは映画化して欲しい。 因みに、続編の宇喜多の楽土は自分は気に入りませんでした。 般若心経はクライミングに本当に役立ちます。 一言に要約すれば、あなたが今思っている事は、あなたの凝り固まった大脳皮質が過去の経験から勝手に作り出してるだけで実体は無いというところかと。 クライミングで、ああこのムーブ難しいそうとか、これ苦手そうといのも脳が勝手に判断してるだけというところです。 あとは、今この瞬間だけに集中せよ。 過去の意味は、今この瞬間をどう生きるかで変わってくる。 あるルートを登れても、その意義付けは今をどう生きるかで変わってくる、登れなくても今をどう生きるかで未来が開かれ、登れなかったという意味付けも価値あるものに変わる、と言ったところです。
しつこくてすみません。 ご返事不要です。 瞑想ですが、私のヨガの先生が真言宗に出家し、阿闍梨でもあり、ツキイチ瞑想会、今はオンラインでやってます。 瞑想は脳の疲れを取るそうです。 クライマーだとイギリスのHazel Findlayだったかもヴィッパーサナ瞑想やっててクライミングに役立つと言ってました。 私の先生のモモさんはMomo アシュタンガでググると、ああ、日々是サーマデイとか言うBlogが出てきて、仏教瞑想会案内にも行きつけると思います。 無理にご覧になって頂く必要は全くございません。 あくまでもご参考までです。 因みに荻窪在住です。
>>4見てみます