川はほとんど流れを感じないほどゆっくりで、川の両側にはマングローブが生い茂っている。川の流れがほとんどないのは海面との高低差がほとんどないからなのだが、そのため川の下流部では淡水と海水が混じっている。このような水は「汽水」と呼ばれ、汽水に生えている植生の総称をマングローブと言うのだそうで、マングローブという名前の植物がある訳ではないようだ。ちなみに日本には7種類のマングローブがあり、西表島にはその全てがあるらしい。
マングローブの間を30分ぐらい遡行すると、トレッキングの開始地点にたどり着く。尚、カヤックで片道2時間遡行するようなコースもあるようなので、機会があればチャレンジしてみたい。
トレッキングの出発点辺り。水陸両用の靴は貸して貰えて、カヤックからトレッキングに至る全ての工程でその靴を履いていく。
《サキシマスオウノキ》
根っこが板のようになっているので、板根と呼ばれる。このような根を張ることによって幹を太くすることができ、高く伸びることができるのだそうだ。また、板根の上端が茶色くなっている場合、その根が生えている側は、これから木が伸びる方向を指しているとのこと。写真の通り、根は流線形を描いて張り巡らされて行くので、それで負荷分散ができているのだろう。しかし、幹が大きくなり過ぎて自重を支えられなくなると、幹の中を自ら空洞化して軽くするのだそうだ。木にも意思があり、重さを感じてそれに対処するような思考があるのかなぁ。・・などと思いながらトレッキングは続く。
ガイドさんの楽しい話を聞きながら、30分ぐらい歩くと滝の上に出る。ここではお昼休憩があり、ガイドさんが持ってきてくれたおにぎり弁当が食べられる。こういうところで食べるおにぎりは美味い!写真の上の方に見えるのが海と干潟で、ジャングルの合間に見える水路が、ここに来るまでカヤックで遡行してきた川だ。
この滝の落差は55mあるので覗き込むのは怖いのだが、ハイハイしながら覗き込むE夫妻。仲良し。
彼らの背後を流れる、滝になる前の川。ここから先は入山申請をしないと入れない。今回のガイドさんは西表を色々探検し、ドローンを飛ばして未知の滝を発見したとのこと。滝登録なるものがあって、そこに登録されていない滝は未知の滝になるのだとか。まあ、島全体がこんな感じなので
、何があっても不思議じゃないでしょう。イリオモテヤマネコはこの広大な島の中にわずか100匹程度しか生息していないらしく、30年住んでても1回しか見たことがないような人もいるぐらいレアなので、今回のツアーではもちろん遭遇できなかった。
お昼休憩の後は滝の下までトレッキング
さっきの滝を下から眺めるの図。マイナスイオンと共に、都会の汚れも洗いながされます。
ボルダーがあると、登らなければならなくなる人々。滝つぼ周辺は寒いのだが、ガイドさんがコーヒーを煎れてくれる。ここから先は、来た道を折り返し、カヤックに乗って帰るだけ。
帰りは、岸に上陸してマングローブの植生の説明を受けた。根っこで、塩分をフィルタして、水分だけを吸収して育つ仕組みになっているのだとか・・。
Monsoonの拠点に戻り、西表の海の素敵な風景を眺め、
馬と遊んで、そのあとハンモックで寝て、楽しいツアーは終りを迎えた。
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