石垣島ボルダー&離島ツアー 《西表島編》

石垣島のボルダーは、沖縄本島の具志頭にあるものとほとんど変わらない。だったら、那覇から400㎞も離れた石垣までわざわざ行く必要があるのか?と言いたくなりそうなところなのだが、石垣まで来ると、そこからちょっと足を延ばしたところに西表や竹富、波照間、与那国といった離島がたくさんあるので、石垣でのボルダリングと合わせてそれらを巡って来れるのが良い。
《西表島》
今回のツアーの二日目は西表島に行くことにした。西表島には人口がわずか2400人にしかおらず、島の90%はジャングルで覆われている。この島では元々マラリアが蔓延していたために、かつて琉球政府によって他の島から強制移住させられた人や、炭鉱夫として送られてきたような人々の多くが病気で亡くなってしまい、開発が全然進まなかったという歴史があるようだ。幸いなことに、マラリアの方は1961年に撲滅しているのだが、おかげで今でも原生林が手つかずのまま残っている。ちなみに最近城ケ崎に出没していたクライマーの河合くんはアマチュアの昆虫博士で、かつてこの島で新種の虫を発見し「イリオモテクリイロカッコウ虫」という名前を付けたそうだ。先週20日の日曜日に、たまたま城ケ崎の浮船橋の駐車場で彼に会い、その話を聞いたところだった。

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まあそんな訳で、西表島にはホントに多くの自然がそのまま残っており、数十社のツアー会社が大自然を満喫させるツアーを色々組んでいる。今回はMonsoonという会社の「カヤック&ジャングルトレッキングツアー」なるものに参加してみることにした。そもそもツアーというものにはほとんど参加したことがなかったのだが、これが良くできていて結構面白い。

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Monsoon社の拠点、ここからカヤック乗り場まで、車で連れて行ってもらえる。

今回のツアーの目的地は、沖縄で最も標高差があるという落差55mのピナイサーラの滝で、西表島に数ある川の一つであるヒナイ川を下流からカヤックで30分ぐらい遡行し、ピナイサーラの滝までトレッキングした後に同じコースを帰ってくるというもの。

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川はほとんど流れを感じないほどゆっくりで、川の両側にはマングローブが生い茂っている。川の流れがほとんどないのは海面との高低差がほとんどないからなのだが、そのため川の下流部では淡水と海水が混じっている。このような水は「汽水」と呼ばれ、汽水に生えている植生の総称をマングローブと言うのだそうで、マングローブという名前の植物がある訳ではないようだ。ちなみに日本には7種類のマングローブがあり、西表島にはその全てがあるらしい。
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マングローブの間を30分ぐらい遡行すると、トレッキングの開始地点にたどり着く。尚、カヤックで片道2時間遡行するようなコースもあるようなので、機会があればチャレンジしてみたい。

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トレッキングの出発点辺り。水陸両用の靴は貸して貰えて、カヤックからトレッキングに至る全ての工程でその靴を履いていく。
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《サキシマスオウノキ》
根っこが板のようになっているので、板根と呼ばれる。このような根を張ることによって幹を太くすることができ、高く伸びることができるのだそうだ。また、板根の上端が茶色くなっている場合、その根が生えている側は、これから木が伸びる方向を指しているとのこと。写真の通り、根は流線形を描いて張り巡らされて行くので、それで負荷分散ができているのだろう。しかし、幹が大きくなり過ぎて自重を支えられなくなると、幹の中を自ら空洞化して軽くするのだそうだ。木にも意思があり、重さを感じてそれに対処するような思考があるのかなぁ。・・などと思いながらトレッキングは続く。

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ガイドさんの楽しい話を聞きながら、30分ぐらい歩くと滝の上に出る。ここではお昼休憩があり、ガイドさんが持ってきてくれたおにぎり弁当が食べられる。こういうところで食べるおにぎりは美味い!写真の上の方に見えるのが海と干潟で、ジャングルの合間に見える水路が、ここに来るまでカヤックで遡行してきた川だ。

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この滝の落差は55mあるので覗き込むのは怖いのだが、ハイハイしながら覗き込むE夫妻。仲良し。
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彼らの背後を流れる、滝になる前の川。ここから先は入山申請をしないと入れない。今回のガイドさんは西表を色々探検し、ドローンを飛ばして未知の滝を発見したとのこと。滝登録なるものがあって、そこに登録されていない滝は未知の滝になるのだとか。まあ、島全体がこんな感じなので
、何があっても不思議じゃないでしょう。イリオモテヤマネコはこの広大な島の中にわずか100匹程度しか生息していないらしく、30年住んでても1回しか見たことがないような人もいるぐらいレアなので、今回のツアーではもちろん遭遇できなかった。

お昼休憩の後は滝の下までトレッキング
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さっきの滝を下から眺めるの図。マイナスイオンと共に、都会の汚れも洗いながされます。

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ボルダーがあると、登らなければならなくなる人々。滝つぼ周辺は寒いのだが、ガイドさんがコーヒーを煎れてくれる。ここから先は、来た道を折り返し、カヤックに乗って帰るだけ。
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帰りは、岸に上陸してマングローブの植生の説明を受けた。根っこで、塩分をフィルタして、水分だけを吸収して育つ仕組みになっているのだとか・・。

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Monsoonの拠点に戻り、西表の海の素敵な風景を眺め、

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馬と遊んで、そのあとハンモックで寝て、楽しいツアーは終りを迎えた。

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